受領書・拒否書・免責書。施工会社を守る三つの書類
新築現場では、完了の証拠は建物そのものです。入居中の建物では証拠は紙です。半年後には、A12 号室が水栓交換を断ったのか、そもそも一度も開けなかったのか、誰も覚えていないからです。
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入居中の現場の工事結果は三つ、それだけ
班が住戸に入ったとき、終わり方は三通りしかありません。作業が終わり入居者がそれを認めるなら受領書。入居者が全部または一部を望まないなら拒否書。部屋が片づいておらず、それでも家具の周りで作業してほしいと入居者が求めるなら免責書です。
それ以外、閉まった扉、不在、日程変更は訪問ではありません。立ち入りの失敗であり、署名書類ではなく工程表に記録します。
受領書には、予定ではなく実際にやったことを書く
受領書には、その日その住戸で実際に行った作業を工種ごとに書きます。日付、入居者名、住戸番号、現場監督名、そして二つの署名を載せます。
よくある誤りは、実際にやったことではなく契約書の項目をそのまま書き写すことです。コンセントを六口設ける予定が、食器棚の裏に手が入らず四口で終わったなら、書くのは四口です。残り二口も明記します。六口と書いた受領書は最初の検査で覆され、他のすべての受領書まで疑わしくなります。
拒否書には、何を、なぜ断ったかを書く
工事計画上の必須項目でない作業なら、入居者には断る権利があります。タイルはそのままにする、新しい水栓は要らない、といった具合です。この拒否が問題になるのは、書面に残していない場合だけです。
書類には、工種一式ではなく断られた作業そのものを書き、理由を入居者の言葉で残します。「内装材一式の拒否」より「居間の長尺シート張り替えの拒否、家具が重く動かせないため」のほうが千倍役に立ちます。一年後、この理由は A12 号室だけ床が違う理由を発注者に説明し、そもそも施工できなかった作業について施工会社が責められることを防ぎます。
免責書。家具の周りで作業する、ただし無防備にではなく
よくある場面です。事前の書面で部屋を空けるようお願いしたのに、入居者は何も動かしておらず、急いでいる様子で「このままやってほしい」と言います。断れば立ち入りを失い、書面なしで引き受ければ食器棚の傷のリスクを施工会社が背負います。
免責書には、残された家具を具体的に書き、誰かが動かしたのであれば誰が動かしたかを記します。着手前の写真二枚は、どんな文章よりも雄弁です。家具の状態と位置が写るからです。短い書類ですが、署名は着手前です。傷を見つけた後ではありません。
その場で署名し、書類の行き先を決めておく
三つの書類にはいずれも二つの署名が要ります。入居者と現場監督です。署名が欠ければ書類そのものが成り立たず、翌日にもらった署名は書類の信用を損ないます。
タブレットなら指で署名でき、班が踊り場を離れる前に PDF をメールで送れます。入居者が控えを持ち、施工会社も控えを持ち、発注者には一覧が届きます。現場管理モジュールでは、書類はそれを生んだ工程表のセルに紐づきます。半年後に A12 号室を開けば、日付、工種、写真、署名済み書類がそのまま出てきます。ファイルを漁る必要はありません。
この三つの書類は事務手続きではなく、閉じた扉の向こうで何が起きたかを示す唯一の記録です。踊り場での所要時間はそれぞれ二分、精算のときには何週間もの短縮になります。現場管理モジュールは工程表のセルから、二つの署名と写真つきでこれらを生成し、ファイルではなく住戸に紐づけて保存します。